恥辱を与えられるのがMの快感であることはみなさんもご存知のはずだ。
さてその恥辱は、肉体的恥辱と精神的恥辱に分けられる。肉体的恥辱とは、文字通り体を縛ったり、蝋燭をたらしたり、浣腸する等、肉体的苦痛を与えることを意味する。痛みや苦痛の中でMは歓ぶ。逆に精神的恥辱とは、体の痛みを伴わないかわりに、精神がずたずたになってしまう。放置プレイや露出プレイ、言葉責めがその代表例だ。
俺は最近、新たな精神的恥辱プレイを開発した。
口枷を使って、美女の顔を醜く変形させ、それをネットにばらまくというプレイだ。
出会い系のアダルト掲示板で知り合ったそのMの美女に、俺は口枷を強制した。
その器具(口枷)は口を固定するだけでなく、鼻の穴を引っ張って豚鼻に変形する。どんな美人であっても、これを使えばとんでもない顔になってしまう。
俺は口枷をした彼女と並んで記念写真を撮った。
「どうだ……自分の顔を見て」
「やめて……こんな顔、やだ」
鼻の穴がむき出しになるだけで、人の顔は根本から破壊される。鼻の穴はほんらいさりげなく下を向いていなければならないことを、そのプレイで体感することができる。
「美人顔がだいなしだな……ん?」
「恥ずかしい」
「じーんと感じるだろう? 自分の豚面を見てさ。自分はこんなに醜い女だったのかって、感動しないか?」
「うう」
「俺は感動するよ。美しいものを破壊するってのは深い感動を生むもんだな」
俺には運営中のブログがある。日頃の出来事をつれづれなるままに書いてアップするだけの平凡な日記だが、近頃アクセス数が倍増している。
理由は彼女の紹介コーナーだ。
俺は口枷豚鼻の彼女の写真をアップし、彼女を紹介した。
「最近、出会い系サイトで知り合ったOLの彼女です。年齢は25歳。彼女とはとても仲がよくて、毎日楽しいです。写真も載せておきました。どうです? 可愛いでしょう? こんなに可愛い女の子はめったにいませんよ。改めて出会い系サイトに感謝ですね」
人々はその醜い顔をした彼女が気に入ったようだ。
美しいものを破壊することによる快感は、多くの人が共通して持っている。