僕はSMプレイが好きなマゾです。約2年半前、SM系のデリ嬢とプレイして以来、その虜になりました。もともとその素質があったのでしょうか、人が言うよりすんなりと、その世界にとけ込めたほうだと思います。
でも僕の場合、ほかのマゾヒストとプレイに向かう動機がやや違うように思えます。僕が欲しいのは痛みそのもの。女性からいじめられることではなくて、痛みそれ自体なのです。この感覚わかってくれますか? 女性からもたらされる攻撃。そしてそこから生じる痛み。痛みを通して女性と一体化するのです。性器で結合するのでなく、痛みで結合するセックスなのです。
そのデリ嬢は美人でエロくて、すぐに気に入りました。その女性は鞭の専門で、振り下ろされる鞭からもたらされる痛みは、とても素敵でした。でも風俗ですからそれっきりでした。風俗は高額ですし簡単に手を出せるものではありませんからね。
でも貧乏人の僕でもSMを気軽に味わえる世界があることを知りました。
出会い系です。
出会い系のアダルト掲示板に行けば、アブノーマルな趣味を持つ同好の女性と知り合えるのです。僕はそこで僕に痛みをもたらしてくれる女性を探しました。
マゾ男であることを告げたら、Sのお姉さま方がこぞって連絡をくれました。
「愛してあげる……きつきつく愛してあげる」
「痛くしてくれたらそれでいいんですけど」
「道具は」
「鞭」
ホテルで尻を鞭でひっぱたいてもらいました。四つん這いで尻だけ突きだした僕に、容赦なく鞭の洗礼です。
「涎たらしてんじゃないわよ……気持ちよかったらもっと声出しなさい」
「ああ……気持ちいい……お姉さんとひとつになれてる」
「変な男とだけど気持ちはわかるわ」
お姉さんからしてもらうプレイは鞭だけに限りません。並んでソファに座っているときに、太股の裏側や、腕の柔らかい部分などをつねってもらいます。スパンキングもたまりません。普通に会話しているときにも、さりげなくつねってもらって痛みをもらいます。
僕にとって女性からもらう痛みは、そういう風に日常的なものであってほしいのです。ホテルで本格的に鞭をふるってもらうのも快感なのですが、いつも痛みで繋がっていたいのです。