昔、出会い系のアダルト掲示板で知り合った女とSMプレイしたとき、麻縄で縛りすぎて彼女の腕の皮膚を傷つけてしまったことがある。
綺麗な白肌に、5センチほどの擦り傷ができた。彼女は気にしないで、と言ってくれたが、内心怒っているような雰囲気があったので、謝罪して身を引くことにした。
「そりゃケガしたのは悲しいけど、プレイしてたらこのくらいのことあるんじゃないの?」
「SMやる男のマナーに反する…失格だ」
俺はそれからしばらくSMから遠ざかった。
だがひょんなタイミングで、緊縛のチャンスが巡ってきた。
相手は同じ出会い系サイトで知り合った人妻。SMプレイ目的でなくて、単なるセックス目的だったのだが、ある日彼女にM気があることを知らされた。
「うちの旦那はノーマルでさ…つまんないの」
「アブノーマルが好きなの?」
「縛られてみたい」
(飛んで火に入る何とかだ…久しぶりにやったるか)
「俺の得意技は亀甲縛りだけど文句ある?」
「へへ…文句ないよう~」
プレイを始めた。
聞くと、今の旦那と結婚する前、ナンパしてきた男と行きずりのセックスをしたが、そのときホテルのゆかたの帯で縛られたらしい。
帯なので緊縛プレイとは程遠いが、縛られることの快感を彼女は知った。男とはその日かぎりで別れたが、縛られる妄想は消えず、しばらくオナニーのネタになったという。
「旦那にはその気がこれぽっちもないから」
「誰にも言えなかったのか」
「うん、だから亀甲縛りのプロに出会えて嬉しい」
「じゃあ始めるぞ」
俺はでき際よく麻縄で全裸の彼女を縛っていった。
脚は自由にしてやったが、両腕は胴体と固定されたままだ。亀の甲羅から乳房の膨らみが突き出て、乳首が立っている。
「ああ…悶えたくなるわ」
「尻を叩こうか」
「ぶってぶって…お尻ぶって」
旦那が知らない妻のいやらしい姿。
旦那はこの姿を見たら自殺するのではないだろうか。
降って沸いたようなSMフレンドの登場に、俺ははりきっている。
今度は体を傷つけないようにしたい。