出会い系サイトPCMAXでM女を見つけ、仲良くなった。お互いにSMマニアだから話が早い。出会い系サイトはこういう風に手軽に仲間を探せるから便利だ。
俺は「放置プレイ」を望んだ。彼女もそれでいいと言う。一度放置されてみたいと思っていたらしい。
彼女の職業はOL。一流と言われている企業の製品企画を担当しているらしい。なかなかの美人だし、物静かだし、上品といえば上品。M女といえばM女。
「縛るだけならいいわ。それで放置してちょうだい」
「俺の部屋でいいか」
「構いません」
事務的なやり取りをしたあと、俺のアパートに移動した。
縛って放置するときの注意点は強く縛りつけないことだ。パートナーが不在になるわけだから、極度の痛みや苦痛への対処が難しい。場合によっては血行障害により筋肉の壊死や麻痺が起きて致命傷になりかねない。目的は「放置」であり「緊縛」ではない。
裸にして、なめした麻縄でゆるやかに縛る。両手両足を不自由にし、口かせをする。一流企業の製品企画担当は今、縄と口かせで自由を奪われた豚になった。
「俺はこれから彼女に会ってセックスしてくる。いつ帰ってくるかわかんねえぞ。じゃあな」
アパートを出た。
それから別の女と待ち合わせ、ホテルに行ってセックスをした。
彼女は出会い系で知り合ったS女で、中堅企業で庶務を担当しているOL。ヤンキー風で、少々乱暴なところがある。SMプレイをすることもあるが、普通にセックスして終わることもある。その日は普通のセックスをした。乳房のラインが綺麗なのが特徴。
「今日は女王様ごっこはなしなんだね」
二回目のセックスのあと彼女が煙草に火をつけた。
「なしだ」
「つまんねえな」
「そのかわり面白いものを見せてやる。俺のアパートに自由を失った豚を一匹放置してるから、様子を見てきてほしい」
「放置プレイ現在進行形か・・・おもしれえな」
「棚にじょうろがあるから、それで水をやってくれ」
「まかせろ」
あれから二時間経過している。季節は初夏だから気温も高め。少し水をやらないと干上がる可能性もあった。ホテルを出ると彼女と別れ、俺はパチンコして時間をつぶす。
一時間ほどして彼女が戻ってきた。
「どうだった、豚は」
「私が行ったらびっくらこいた。目を丸くして『どなたですか?』だってさ。笑ったよ。さっきまで彼とセックスしてた女だと言ってじょうろの水を顔にかけといた。フローリングは水びたしだよ」
「水かけただけ?」
「尻を10回くらい叩いたら気持ちよさがってた」
それから一時間ほどしてアパートに戻る。
すでに四時間が経過していて、部屋のなかは薄暗い。
電気をつけると。恍惚顔の豚が俺を見上げる。
髪はじょうろの水で濡れ、そこらに水溜りができている。そして・・・。
下半身も水浸しだった。匂いをかぐとアンモニアの香りがする。
「小便したのか」
「おしっこがまんできなかったんです。すみません」
「ウンコしていいぞ。ここは動物園だからな・・・明日の朝また来る」
電気を消し、部屋を出る。
その日はS女の部屋に泊まる予定だった。豚のことはしばらく忘れようと俺は思った。