実をいうと俺にはSM趣味がある。
だが最近欲求不満気味。
付き合っている彼女はいるのだが、SMに興味がなく、むしろ変態趣味だと言って軽蔑している節があり、彼女相手にSMプレイをするのは不可能だった。綺麗だしいい女なのだが、そのことだけが不満だった。
俺が考えた欲求不満解消の方法は、彼女のほかにSMプレイ用の女を見つけることだった。出会い系サイトには男のニーズに合わせるように様々なタイプの女が用意されているので探すのは簡単。あとは本命彼女とどのように両立させるか、どのようにSMを楽しむかだけだった。
彼女とはほぼ毎日会っているし、ほぼ毎日セックスしているので、SM用の女を入り込ませる場所がない。
―放置プレイなら何とかなるかもしれない―
俺はさっそく行動に移した。
プレイ用の女と会うときは、必ず俺の自宅でプレイするようにし、彼女が訪ねてくる前にあらかじめ女を裸にして全身を縛った上、隣の暗い部屋で放置したのだ。
「これから愛する彼女と隣の部屋で甘い時間を過ごすが、死んでも声を出すなよ」
「私以外に女がいるの?」
「よけいな口を聞くな。お前は放置されるためにここに来た。ここでじっとしていろ」
扉を閉める。
やがて彼女が来てしばらく談笑したりお茶を飲んだり彼女が持ってきたケーキを食べたりしながら雰囲気を高め、キスして服を脱がせてセックスを始めた。
ときどき隣の部屋のほうを向いて様子を確かめるが静か。
俺は彼女を必要以上に刺激し、感じさせた。いつもよりたくさんアヘ声を出させて隣の女を刺激したいという思いもあったが、それ以前に放置プレイのおかげで俺自身が興奮し熱くなっていたという理由もある。
もしも女が苦痛あるいは嫉妬のあまり声を出したりしたら。
そう考えると俺もどきどきして興奮する。
セックスが終わったら外に買い物に出て、彼女と別れて帰宅したのは3時間後だった。
女はほぼ同じ姿勢で横たわっていた。さわると冷たい。
「寒い・・・」
「そろそろ日が暮れるから今日は終わりだ。もう帰れ・・・また連絡する」
そうやって追放し、たまに女を呼び出しては隣の部屋で放置し、彼女とのセックスと放置プレイを同時に楽しむ。
SMプレイ用の女は少し文句を言わないからありがたい。