SMクラブで美しいものを見た。
薄闇の中で光を浴びた亀甲縛りの若い女。亀の甲羅をイメージさせる菱形の文様。菱形の紐線できつく縛られた腹肉、乳肉、そして毛の生えた恥丘が目の前で静かに息をしている。苦悶と恍惚に満ちた女の表情は、月のように妖しい。
乳首が勃っている。紐の横から覗く薄ピンク色のびらびらは、幽かに濡れている。
俺は今にも精液が迸るのではないかと思うほど勃起した。
「美しい」
思わずそう口走る。
俺は亀甲縛りの女の美しさを忘れられず、クラブで結び方を教わり、誰かに試してみようと思った。
相手は出会い系で知り合った女。介護福祉士をしているというごく普通の26歳女性。
「綺麗な方ですね」
「そんなことありません」
白い歯がまぶしい。
「貴女をもっと美しくしてあげたい。これからホテルに行きませんか。別にエッチ目的じゃないです。エステのようなものでしょうか。・・・実際はエステより効果がありますがね」
彼女はこくりと頷いた。
ホテルに入ったら、すぐに「裸になって頂けますか」と言った。すると彼女の表情が変わる。
「もしかして私を」
「セックスはしませんよ。約束します」
半信半疑で裸になる彼女。
「ブラもパンティも脱いじゃってください」
向こうをむいて下着を取り、乳首と下の毛を隠してこちらを向く。
「ベッドに仰向けになってください」
俺が長い縄を取り出すと、彼女はその意味を察したらしく身体を縮めた。
「変なことしないで。そんな趣味ないわ」
「必ず美しくなれます。美しくなれなかったら、僕は貴女の前で土下座して謝ります」
しばらく葛藤があったが、観念した彼女がベッドに横になった。
俺はきつめに縛った。ビギナーだから緩くしようと思ったが、興奮して力が入った。縛るたびに彼女が苦悶の声を出す。顔をいやいやして股を閉じる。だが俺はその股に縄を当て、ぐいぐい引っ張る。
「ううう・・・やだぁああんッ!」
亀の甲羅が徐々に出来上がっていった。
電気を薄暗くし、彼女を大きな鏡の前に立たせた。
「ほら見てみろ、こんなに綺麗だぞ。亀甲縛りは江戸時代からあるんだ。日本の女たちが世界的にも美人で有名なのは亀甲縛りのおかげだ」
「痛い・・・ううう」
恍惚としたトロ顔にキスし、そっと陰唇に触れた。予想した通り潤っている。彼女は欲情した目を俺に向けた。
どうやら土下座せずに済んだようだ。